幸せな音

【ひみつの姫君うわさの王子】【狼陛下の花嫁】二次創作サイト。2012/1/12/開設



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花の香り(黎翔×夕鈴・微えろ) :: 2012/03/08(Thu)

黎翔×夕鈴(新婚夫婦)
直接的な描写はありません

 
今日も夕鈴はいつもと同じように掃除のバイトを終えた。特に汗をかいたため、黎翔の帰りに間に合うように入浴を手早く済ませた。
外に続く廊下を歩く。何にも縛られていない髪を、ゆるりとした風がさらう。部屋までの廊下はひんやりとした夜の空気が流れている。もうすぐ春が来るとは言え、まだ冬の名残がそこかしこに残っていることを実感する。
夕鈴は、湯上がりの体を冷やさないように少し足早に歩く。部屋に戻って、香油を髪に馴染ませるのが最近の楽しみなのである。

部屋に入る前にふと人の気配があった。しかし侍女は連れて歩いている。だとすれば――
「陛下……?」
「あぁ、夕鈴」
長椅子に座っていた黎翔が夕鈴の姿を認めると、侍女をそのまま下がらせた。部屋には正真正銘、夫婦2人だけ。
「ご、ごめんなさい、お迎えできなくて……」
「ううん、いいよ。気にしないで」
「いつもより早く終わったんですか?」
「うん、僕の帰りを待つ君に一刻も早く会いたくて終わらせてきた」
黎翔はまだ乾いていない髪を一房掬い、口づけた。結婚しても甘い言葉は減るところか増すばかりで、夕鈴の頬が赤く染まる。
「っあ、香油! 陛下、ちょっとごめんなさい」
夕鈴はそんな夫の行為の恥ずかしさに耐えられず、鏡台に置いている香油を取りにその場を逃げた。
「香油?」
「は、はい。いつも陛下が来る前に髪につけてるんです」
「それ、貸して。今日は僕がやってあげる」
「えっいいですよ、そんな」
「馴染ませるだけなんでしょ? ほら、ここ座って」
さりげなく香油の瓶を取り上げた黎翔は、夕鈴を膝の上に座らせた。こうなっては従う他ない。おとなしくして、身を委ねる。
黎翔は適当に香油を掌に数適落とし、夕鈴の長くきれいな髪に優しく馴染ませ始めた。ふわり、と控えめな香りがその場に溶け込む。
「これ、いい匂いがするね」
「桜の香りなんです」
「春らしくていいね」
顔を見ないでも、背後で夫の綻んだ表情を思い浮かべることができた。自分が気に入ってる香りを黎翔にも気に入ってもらえたのが嬉しくて、夕鈴は密かに笑みを零す。男らしく骨ばった指が柔らかい髪を梳く。髪の毛先までしっかり馴染ませてくれてるようだ。されるがままだが、夕鈴はそれを心地よく受け止めていた。
しかし黎翔は突如、髪を一纏めに上にあげた。そして、彼は露になったうなじに唇を押しつけた。
「――ひゃっ!?」
「あぁ、やっぱり。髪は桜の香りだけど、夕鈴の体は花の香りがするね。花湯の効果かな」
「陛下何して……っ」
慌てふためく夕鈴とは対照的に、黎翔は余裕を思わせる声色だ。
「相変わらず首は敏感だね」
「なっ……あっ?」
夜着と首の間にある隙間に黎翔の指が這う。肌をさわさわと触れるか触れない間の指の動きだ。夕鈴は思わず身を捩る。
「ちょ、陛下、……っ」
「僕のために毎日香油を馴染ませてたんだね。知らなかったな。――ね、今夜はその香り、堪能していい?」
夫婦の夜を示唆する言葉を囁かれ、夕鈴の白い肌は朱色に染まった。

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夕鈴が髪をあげる場面ってないなぁと思って、思いついたシチュエーション。
ささっと勢いで書き上げました。
本当に勢いだけなんですが……
微えろ風味ですが、いかがでしょう。
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