【ひみつの姫君うわさの王子】【狼陛下の花嫁】二次創作サイト。2012/1/12/開設

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<幸せな音>は管理人 幸音(ゆきね)による本誌ネタバレ感想と二次創作のサイトです。 『狼陛下の花嫁』の黎翔×夕鈴、『ひみつの姫君 うわさの王子』のイジー×アルディーナ、ぬるめですが、それぞれの年齢制限のある話も書いてます。年齢制限の話はパスワード必須です。入力画面での注意事項を必ずお守りください。 当サイト作品は全てフィクションです。実在の人物、団体、事件、史実などには一切関係ありません。原作が大好きです。著作権侵害を目的とせず、原作者様、出版社様とは一切無関係の自己満足個人サイトとなります。 更新はオフ優先ですので、基本的に不定期です。本誌ネタバレ感想は書きますので、最低月1の更新になります。 励みになりますので、よろしければ拍手やコメントしてやってください。何かございましたら拍手コメントやメールフォーム等にて。 拙い文章ですが、少しでも楽しんでもらえたら嬉しいです。
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寝顔

黎翔×夕鈴(新婚夫婦)

 
暖かな陽射しと鶯が鳴き始めたある春の日――
今日の掃除バイトはお休みの夕鈴は、ひとり昼食を終え、長椅子にもたれて書庫から借りた書物を読んでいた。
陛下といる時間もいいけれど、たまの休みにはこうして書物に読み耽る時間を作るのもいいかもしれない、と最近ようやく思えるようになった。

ぽかぽかした陽がもたらす緩やかな空気が部屋中に漂い、春にしては暑いけれど、それは不快ではなくむしろ心地いい。
手にしている書物は詩集で、春を題材にした詩は今の時節とちょうど合っている。ゆっくりと噛み締めるように文字を追っていた目が暖かい空気に囚われ、だんだんとまどろみ、夕鈴は次第に瞼を閉じていった。

仕事が一段落つき、最愛の妃に会いたくて後宮へ向かう足取りは軽い。政務室を出る前に李順に睨まれ注意されたが、構わない。
政務室通いは休みのため、夕鈴が傍にいない。夕鈴が足りない。会いたいのだから仕方ない。結婚して一緒にいる時間は以前より増えたはずなのに、まだ物足りない。

後宮の途中の廊下で、鶯が庭のどこかで鳴いたのを耳にした。
春のように暖かいと思えば、雪が降り積もる日もあった先月と比べると、ようやくこの国にも春が来たようだ。
夕鈴は後宮に咲き誇る花を楽しみにしていて、髪につけたり、部屋を飾り立てるのを心待にしている。ただ、夕鈴の前ではどんなに美しい花も霞む。
結婚して新しく設(しつら)えた夫婦の部屋に辿り着き、侍女を下がらせ奥へ歩み進む。
焦がれて止まない夕鈴は長椅子にもたれ、こくり、こくりと小さな頭を揺らしながら舟を漕いでいた。眠ってしまったのは、室内の暖かさのせいだろう。
膝の上に書物を載せているせいで、長く垂らした髪の毛先が開いた書物の上をさらさらと滑る。その様子を見ながら隣に腰掛け、再び見遣る。
すぅすぅと可愛らしい寝息が聞こえるほど、熟睡している。前後にゆらゆらと揺れていた頭が不意に肩にもたれてきた。
右肩の小さな重みにすら愛しく思う。
普通ならばそこにあるはずのない肩の存在に気付いたのか、夕鈴が小さく体を揺らした。
「ぅ……?」
「起きた?」
「……んー……」
返事は半ば夢うつつ。意識はまだはっきりしていない。
「夕鈴」
囁くような声で愛しい名前を呼んでみる。本当は眠っているのを邪魔したくないが、顔を見たくて戻って来たのだからと言えば我が儘だと思われるだろうか。
俯き加減な顔を見ようと、もたれている頭を動かさないようにして寝顔を覗き込んでみた。それでも夕鈴は目を閉じたまま。
すると――

「へーか……ふふ」

確かに眠っているはずなのに、ふにゃりとした幸せそうな笑顔。僕が出ている夢を見ているのか。
本当はこうして隣にいるのに、そんな愛らしい表情と僕を呼ぶ声を、夢の僕は見て、聴いているのだろうか。
そこでふと、夢の自分がそうさせていることにすら嫉妬してしまっていることに気付き、どれほど独占欲が尽きないのか――思わず苦笑を零す。
「夕鈴」
閉じた瞼の裏に映る僕ではなく、早くその大きな瞳に本物の僕を映したい。
「夕鈴、起きて……?」
顎をくいっと上げ、すがるように唇を重ねる。ぴくりと肩が跳ねるが、まだ起きる様子はない。
「夕鈴」
掠れた声で呼び、乞うような口づけをする。そして悪戯心が湧き、唇を舐めてみた。
「っ! ……な、に……え、陛下!?」
不意打ちで唇を舐められて、意識を夢からはっきりと取り戻した夕鈴はあまりの距離の近さに驚き、瞬時に顔を真っ赤に染めた。事態を把握できていない夕鈴の瞳には僕が映っている。

「――おはよう。やっと起きたね、お嫁さん」

--------------------
……よく考えたら寝込み襲ってますね、これ。
最初の方は、「寝てるけど陛下に笑顔を見せる夕鈴」を書きたかったんです。
でも書いてる内にだんだん収集つかなくて、陛下に寝込みを襲わせてしまいました。
お気に召したら幸いです。

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