【ひみつの姫君うわさの王子】【狼陛下の花嫁】二次創作サイト。2012/1/12/開設

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<幸せな音>は管理人 幸音(ゆきね)による本誌ネタバレ感想と二次創作のサイトです。 『狼陛下の花嫁』の黎翔×夕鈴、『ひみつの姫君 うわさの王子』のイジー×アルディーナ、ぬるめですが、それぞれの年齢制限のある話も書いてます。年齢制限の話はパスワード必須です。入力画面での注意事項を必ずお守りください。 当サイト作品は全てフィクションです。実在の人物、団体、事件、史実などには一切関係ありません。原作が大好きです。著作権侵害を目的とせず、原作者様、出版社様とは一切無関係の自己満足個人サイトとなります。 更新はオフ優先ですので、基本的に不定期です。本誌ネタバレ感想は書きますので、最低月1の更新になります。 励みになりますので、よろしければ拍手やコメントしてやってください。何かございましたら拍手コメントやメールフォーム等にて。 拙い文章ですが、少しでも楽しんでもらえたら嬉しいです。
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眠る君に秘密の愛を

お題サイト様:確かに恋だった
無防備なきみに恋をする5題:眠る君に秘密の愛を

黎翔×夕鈴(新婚夫婦)

 
「ん……っ」
その場にそぐわない――いや、寝台の上でという意味ではある意味相応か――甘い声が響いた。
「夕鈴……これは何の生殺しなのかな」
黎翔が小さく呟いた後、自分の寝台で眠る者がころりと寝返る。
寝台に腰かける黎翔は唯一の妃である彼女、夕鈴のあどけない寝顔を眺めていた。
どうしてこうなったのだろう――話は数刻前に遡る。

「陛下、私も一緒にお酒を飲みたいです!」
一大決心をしたような表情で夕鈴は黎翔に向かって“宣言”をした。
「突然どうしたの、夕鈴」
夕鈴のこの発言には裏がある。
と言うのも、彼女は、黎翔が隠密である浩大とお酒を飲んで愚痴を零したりしているのは、結婚前から知っていた。そして、そういう役目を果たすのは、臨時花嫁とは言え妻の務めだと思っている。
しかし黎翔はそれを許さなかったのだ。ただ、結婚して本当の夫婦になった今、それを阻まれる権利は無いはずだ。
『一緒にお酒を飲んで、仕事の愚痴を聞く』
だって自分はもう正式な妻なのだから。夫婦の間にあるものを分かち合いたいと思うのは、ごく自然な感情ではないだろうか。
「陛下が、浩大とお酒を飲んで話してるのが羨ましかったんです」
本当の理由を教えるのはなんだか少し気恥ずかしく、けれど夕鈴は素直に思っていたことを口にした。
「だから、たまには私と飲みましょう。これ、青慎に頼んで送ってもらったんです」
そう言いながら卓上に酒瓶と、2人分の盃を載せた盆を置く。
「実家の近くに老舗の酒屋さんがあって……そこで一番美味しいお酒なんです!」
一緒に用意した盃にとくとくと酒を注ぐ。
「でも夕鈴、確か君――」
「どうぞ、陛下!」
手で制止させようとして気圧された黎翔は、可愛い新妻に逆らえず、結局その手から盃を受け取った。

ごくごくごく……
勢いよく喉を鳴らして盃の中の酒を飲む妻を、黎翔は心配そうに見つめていた。
飲み干して、「ぷはー」と息を大きく吐く。
「夕鈴、もうその辺にしておいた方が……」
「なんれすか、へーか」
返ってくる声はもう呂律も回っていなかった。それどころか、盃を持つ手もふらついていて、どこか頼りない。見かねた黎翔は、彼女の手ごと掴んで盃を放すよう誘導する。
「へーか、なんれ、はなしてくれないんれすか」
可愛らしく頬を膨らませながら不満げな目を向けられてしまった。そんな表情がどこかあどけなくて可愛い。
「盃なら放したよ?」
「ちがいますっ。こうだいとは、しごとのぐちをはなしてるのに、わたしにはなしてくれないじゃないれすか」
「え?」
「わたし、へーかのおよめさんなのに……なーんにもはなしてくれなくて、さみしいんれす」
「……」
予期せぬ告白が黎翔の胸を突く。
(まさかそんな風に考えていたなんて――)
浩大との話は、仕事の愚痴だけではなく、夕鈴には聞かせたくない話も含んでいる。結婚したからこそ、天真爛漫な夕鈴とは縁遠い部分を知られたくないのだ。
「へーか……」
それでもこうして想ってくれている夕鈴はいじらしく、可愛いと思う。結婚前に行った離宮で知らずに酒を飲まされた時に、酒に弱かった覚えがある。だから今日もあまり飲ませたくなかったのだが、まさかこんな告白を聞くことができるなんて。
(幸せ者だな……)
黎翔は、すっかり赤く染まった夕鈴の頬を撫で、唇を近づけさせる。顎を捉えられた夕鈴もにっこり微笑んで応える――が、次の瞬間にかくんと頭をもたげた。
「え、夕鈴?」
胸の辺りで聞こえるのは、すー、という小さな寝息。
(もう少しで口づけできそうだったのに……)
心底残念に思いつつ仕方ない、と溜息を小さく吐く。そして、眠る夕鈴の膝の下に腕を入れて抱き抱えて寝台へ運び、そっと横たわらせる。
「……夕鈴、ありがとう。君の心遣いは嬉しいよ。でもごめんね、君には知られたくないんだ」
何杯も飲んだ影響による、汗で額に張りついた前髪を払う。寝込みを襲う趣味は黎翔にはないが、先程しそびれた口づけを額へ落とす。
気配を感じたのか、夕鈴が「へーか」と小さく零した。この愛しくて仕方がない妻へ、「愛してる」と告げたのを眠る夕鈴は知らない。

もう少し酔いたい気分だったが、持ってきた酒のほとんどを夕鈴が飲み干してしまった。仕方ない。浩大でも呼びつけて酒を持って来させ、飲み直すことにする――が、立ち上がろうとして何かにそれを阻まれた。
その原因を確かめるべく振り返ると、着物の袂を夕鈴の手がしっかりと掴んでいた。眠っているくせになぜかその手は力強く、無理に袂から指を剥がそうとすると起きそうだった。
そのため、黎翔はそのまま寝台に腰かけ直すほかなかった。色々諦めて、寝顔を堪能しようと思い直して見つめる。
その時に夕鈴に布団をかけていないままだということに気づいて、足元に押しやっていた布団を引き寄せた。それなのに夕鈴は布団を、夜着の裾を肌蹴させて露になった脚でぐいと押し返す。
「ん……あつい、から……」
目は閉じていながら、睦言のような甘い声を漏らす。その際、胸元の襟も少し乱れて白い肌が闇に映えた。
乱れた夜着も紅潮した肌も掠れた声も、全てが目にも耳にも毒だ。黎翔は葛藤する。
邪な思いを抑えることはできても、布団をかぶせることも、手から着物を剥がすこともできないとは。
なんという生殺しだろう。無自覚で天然で可愛くて、なのに一晩我慢を強いるなんて小悪魔だ。明日の朝まで、耐えられるだろうか。黎翔は思案して、また一つ溜息を吐いた。

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お題から逸れて陛下にひたすら我慢をさせてしまいました^^;
最初こうなるはずでは……(苦笑)

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