【ひみつの姫君うわさの王子】【狼陛下の花嫁】二次創作サイト。2012/1/12/開設

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<幸せな音>は管理人 幸音(ゆきね)による本誌ネタバレ感想と二次創作のサイトです。 『狼陛下の花嫁』の黎翔×夕鈴、『ひみつの姫君 うわさの王子』のイジー×アルディーナ、ぬるめですが、それぞれの年齢制限のある話も書いてます。年齢制限の話はパスワード必須です。入力画面での注意事項を必ずお守りください。 当サイト作品は全てフィクションです。実在の人物、団体、事件、史実などには一切関係ありません。原作が大好きです。著作権侵害を目的とせず、原作者様、出版社様とは一切無関係の自己満足個人サイトとなります。 更新はオフ優先ですので、基本的に不定期です。本誌ネタバレ感想は書きますので、最低月1の更新になります。 励みになりますので、よろしければ拍手やコメントしてやってください。何かございましたら拍手コメントやメールフォーム等にて。 拙い文章ですが、少しでも楽しんでもらえたら嬉しいです。
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添い寝

イジー×アルディーナ(婚約中)
イジー視点

 
普段はあちこち仕事で飛び回るイジーに休暇が取れたことから、先日無事に婚約を果たしたアルディーナとお忍びの小旅行をすることにした。避暑地で有名だという小国に、供をつけずに2人は赴いた。
泊まる部屋は、婚約中とは言え――いやむしろ婚約中ゆえに――隣に別々に取る。イジーの提案に、アルディーナは意味を分かったのか分かってないのか、何も尋ねずに了承した。
一度部屋に荷物を置いてからアルディーナには男装をさせ、昼間は観光をしながら街を散策する。イジーに会いに来る以外に外を出歩く回数の少ないアルディーナにとって街には珍しいものばかりで、楽しそうに眺めていた。
最初に会ったころ、そんな好奇心に身を任せて動いていたことを思い出し、今回は手を繋いで引き寄せる。何も告げずに手を取ったからか、その瞬間アルディーナは驚いた表情を見せたがすぐにはにかんだ笑顔が咲いた。
そして夕食は宿でとり、夜はそれぞれの部屋で眠る――筈だった。

いつのまにか、雨が降り、遠くで雷鳴が轟いた。避暑地とは言え、やはり雨は降る。しかし雨のおかげで、明日の朝はいっそう涼しくなるだろう。
観光のついでにしていた視察の結果をまとめていると、控えめに扉を叩く音がイジーの耳に入った。
「あの、イジー様……起きていらっしゃいますか……?」
「アル?」
こんな時間にアルディーナから訪ねてくるとは予想外だ。
イジーはペンを置き、扉を開く。既に自前の夜着のワンピースに身を包んだアルディーナが、ちょこんと立っていた。
「どうした?」
「お願いがあるのですが……」
アルディーナがおずおずと顔を上げると、少し恥ずかしげな表情が窺えた。そして、意を決したように口を開く。
「い……一緒に寝ても、よろしいですか?」

イジーは一瞬目眩を覚え、顔に右手を覆った。そして、その場にしばしの沈黙が訪れる。
『一緒に寝てもよろしいですか?』
自分の意思に従って婚約を決めた相手からそんなことを言われて、嬉しくない筈がない。しかしキス未遂で赤面する彼女のことだ、自ら誘うような真似は到底無理で、イジーも予想できない。彼としては珍しく必死に考えを巡らせる。ということはつまり――
「何かあったのか?」
「えっと……雷、鳴ってますよね……?」
「あぁ、そういえばそうだな」
「実はわたし、雷が怖くて……その、眠れなくて……」
「いつもはどうしてる?」
「その時は以前イジー様にいただいた人形を抱いて眠るんです。でも今日は1人ですから……きゃっ!」
恥ずかしそうに打ち明けている途中で、先程よりずっと近いところで雷が鳴った。
アルディーナは、雷鳴と共に小柄な体をびくつかせた。さらに心なしか、涙目になっている。眠れないほど怖いとまで告げられて、そのまま部屋に帰すような冷たいイジーではない。
「――分かった。枕はいいのか?」
「……あっ。持ってきます」
了承を得たアルディーナはイジーに枕の存在を教えられ、思い出したように一旦自分の部屋へ戻った。

その間にイジーは散らかしていた机の上の書類を片す。アルディーナにはベッドを使わせ、自分はソファで眠ればいい。
王子とは言え、野宿も厭わない生活をしている。同じ部屋で休むことになっても、理性は大丈夫だと思う。
自分の枕をソファに置いた時に、ドアが開いた。
「失礼します……」
枕を持ってきたアルディーナが恐縮しながら部屋に入ってくる。が、ソファに腰かけたイジーを見て、アルディーナは驚いた顔を見せた。
「イジー様、ソファでお休みになるんですか!?」
アルディーナの一言に、普段滅多に表情を崩さないイジーも瞠目せざるを得ない。
「最初からそのつもりだったが……」
「だ、ダメです! わたしだけがベッドを使うなんてそんなことできません!」
「いや、しかしな……」
この警戒心のない彼女にどう説明をしようかとイジーは考えるが、男心に疎すぎてこちらの機微は分からないだろう。しかし、「ご迷惑をかけているのはわたしなんですからソファで眠ります!」とさえ口にした。さすがにそれはこちらが困るし、提案を飲むことはできない。しかし、アルディーナは珍しく反対の姿勢を見せている。
「……それなら、一緒にベッドを使うしかないぞ?」
もうそれしか残された道がないと示すと、一瞬で頬を朱に染めたアルディーナが「はい」と頷くまで数秒かかった。

「アル……もう少しこちらに来ないと落ちるぞ」
「だ、大丈夫です……!」
ベッドの端のぎりぎりに、アルディーナはイジーと向かい合って横たわっていた。寝返りすれば転がり落ちることはまず間違いない。
「落ちて怪我をしたらどうする」
「さすがのわたしも、落ちません……」
特に意地を張っている、という様子ではないが、これでは堂々巡りだ。
――仕方ない。理性を総動員してから、背中に手を回し、一気にこちらへ抱き寄せる。ついでにもう片方の手をアルディーナの頭へやり、引き寄せて自分の胸に埋めた。
「えっ、い、イジー様……!?」
予想通り身を捩りながら、困惑した声で名前を呼ばれた。腕の中に納めたから表情は見えないが、顔を赤らめている様子は見なくとも容易に想像できる。
「落ちないように、だ。ついでに雷も聞こえにくくなる」
「~~っ! ……眠る以前にドキドキして、心臓が壊れそうです」
それはこちらの台詞だと言いたかった。薄い夜着1枚に隔たれた体は華奢なものだと、触れるとより分かる。体の柔らかさも温かさも、触れた場所から伝わる。
自分からしたことと言え、早まったとは思ってない。多少生殺しに近い状態ではあるが。
「イジー様……」
頼りない声が聞こえた。
「……寝顔、見ないでくださいね?」
それについてはわざと聞こえないふりをした。まだ結婚前であり、こんなことでもなければ、彼女の寝顔など見る機会はない。後で盗み見るつもりだったからだ。黙ったままのイジーが眠りについたと勘違いしたアルディーナは、小さな声で呟いた。
「……わがまま言ってごめんなさい。……でも、イジー様のこういう優しいところ、大好きです」
誤解しているがもう眠りについた相手にそういうことを告げるアルディーナに、いくらかずるさを覚えた。ちゃんと起きている時に聞きたいと思うのは当たり前だろう。しばらくすると、規則正しい静かな寝息が聞こえてきた。アルディーナはようやく眠りについた。
そっと体を頭1つ分離したイジーはアルディーナの安心しきった寝顔をしばらく眺めたのだった。

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久々にお題じゃないものを。
イジーとアルディーナにしてみました。
今ハマってる少女小説に、まだ自覚してない引きこもりヒロインと飼い主さまのヒーローが添い寝をするイラストがあって、それのシチュを書きたくてこうなりました。
偽夫婦では流れがあまり思いつかなかったので。

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