【ひみつの姫君うわさの王子】【狼陛下の花嫁】二次創作サイト。2012/1/12/開設

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<幸せな音>は管理人 幸音(ゆきね)による本誌ネタバレ感想と二次創作のサイトです。 『狼陛下の花嫁』の黎翔×夕鈴、『ひみつの姫君 うわさの王子』のイジー×アルディーナ、ぬるめですが、それぞれの年齢制限のある話も書いてます。年齢制限の話はパスワード必須です。入力画面での注意事項を必ずお守りください。 当サイト作品は全てフィクションです。実在の人物、団体、事件、史実などには一切関係ありません。原作が大好きです。著作権侵害を目的とせず、原作者様、出版社様とは一切無関係の自己満足個人サイトとなります。 更新はオフ優先ですので、基本的に不定期です。本誌ネタバレ感想は書きますので、最低月1の更新になります。 励みになりますので、よろしければ拍手やコメントしてやってください。何かございましたら拍手コメントやメールフォーム等にて。 拙い文章ですが、少しでも楽しんでもらえたら嬉しいです。
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唇に指を這わせ

8000hitお礼SS
お題サイト様:確かに恋だった
指に触れる愛が5題:唇に指を這わせ

イジー×アルディーナ(婚約中)
結婚間近な話

 
「だいぶ決まってきたな」
「そうですね。ドレスもデザインが決まりましたし」
大国の王子により、ローシェンの姫君の価値を利用されかけ、当事者の間で穏便に済まされた騒動からしばらく――。
両国間の友好を結ぶ会議を繰り返す政府高官を横に、王室御用達の仕立て屋を呼びウェディングドレスの採寸をしたり嫁入りに必要なものを備えるなど、ローシェンの姫とガルニアの王子の周囲では結婚式に向けての準備が着々と進んでいた。
政略結婚という噂が未だに流れるも、国全体としては和やかなお祝いムードに包まれている。城下に降りた際に耳にした噂がそれを示している。
「あの、イジー様」
「ん?」
「わたし、結婚式に参加したことがなくて分からないのですが、式は長いんですか?」
以前他国の結婚式に招かれたと話していたイジーに尋ねる。ウェディングドレスの準備は進んでいるものの、2人は自分達の結婚式の段取りの説明をまだ受けていなかった。アルディーナの結婚式に対する知識は、童話や物語で知る限りのものでしかない。
「前は王族と貴族の娘との結婚式だったが、今回は王族同士の結婚だからな、普通よりは規模も大きいしその分時間も長いだろう」
「どんなことをするのですか?」
続けて尋ねる。結婚式が未知のものだからだろう。イジーは彼なりに懇切丁寧に彼女の問いに答える。
「両国の外務大臣や各国の招待客の……これはおそらく王族や主要貴族だろう、何人かの挨拶。神官への誓いの儀式。指輪の交換。それと誓いのキスと国民へのお披露目――」
「キ……っ!?」
キス、と聞き、アルディーナは瞬時に赤面し体をぴしりと硬直させた。
そう、結婚式を間近に控えたカップルは、あの騒動以来キスをしていなかった。
「……」
迂闊に口にしてしまったイジーも、固まったアルディーナの様子に困ってしまった。そうだ、これが残っていたのだと。
急かす気はないと告げてからは、アルディーナのために頑なに守ってきた。だが、それが仇になるとは今日までイジーは思ってもみなかった。

「……アル」
気まずい空気を破るかのように、静かに名前を呼ばれた。それまで固まっていた体の強張りをなんとか解かし、名を呼んだイジーを仰ぐ。アルディーナを見下ろした彼は、無表情ではなかった。いつも通りの真面目な顔ではあるのに、どこか違う。アルディーナの気のせいではない。しかしなぜか分からない。些細な表情の変化を取り零さないようにしている彼女にも、その表情は形容しがたいものだった。
浚巡していると、思いがけない言葉をかけられた。
「……練習するか?」
「……何をですか?」
きょとんと首を傾けるアルディーナに、イジーは淀みなく自然に続けた。
「誓いのキス」
「えぇっ……!?」
再度、固まる。
戸惑うのも無理はない。キスは自らした一度だけ。社交界での挨拶の1つである手の甲に受けるキスすらも表に出る頻度が少ないせいもあり、数えるほどしかない。
あの騒動の最中にしたキスを思い出す。あの時はただただ勢いで。イジーが一番大切だと伝えるには言葉よりも行動で示した方が伝わると考える間もなく下した決断で。しかも口を押しつけただけの、不格好なものだった。
あれからはばたばたと忙しない日々に追われ、元々あまり恋人らしいことをしていなかったが、今現在までそれらしいこともない。
(それなのに、公衆の面前で……キ、キ、キ、キス、だなんて――)
アルディーナは知らぬ間に頬が熱くなっていることに気づく。考えただけでこの有り様だ。式当日なんて一体どうなるのだろう。
「アルディーナ」
珍しく愛称ではない呼び方をされた。と、同時に頤に指が伸ばされ、くいっと上を向かされた。
「え……?」
視線が絡む。見上げた先には変わらずイジーの生真面目な顔がある。口を開こうとして、何かが唇に触れる。
乾いた感触。肌。その何かとは、イジーの指だった。
顎を支えている方の手の指を、アルディーナの唇に這わせている。僅かに横に指がずれる。その動きを意識した途端、アルディーナは咄嗟に固く目を閉じた。
(え、え……!? まさか本当にキスを、するの……?)
目を閉じて感じることができるのは、自分の肌に触れる感触だけだ。顎、そして唇。それだけ。それなのに、体は拘束されたかのように身動きをとることができない。
声も、出ない。口の中が渇いている。
イジーも声を発しない。
聞こえるのは自分の心臓の鼓動のみ。どくん、どくん、大きく跳ねる音。目の前にいるイジーにも聞こえるのではないだろうか、置かれた立場としては少しずれた不安を抱く。
ず、と絨毯を摺る音が響く。イジーがこちらに一歩近づいたのだと分かる。
目を閉じているからこそ、感覚が鋭敏になるのだと分かった。こんな時に身を以て知るなど、アルディーナは思いもよらなかった。
前髪が分かれているはずの額を、何かが掠める。イジーの前髪だろうか。すると途端に吐息が近くなったような気がする。いや、気のせいではないかもしれない。間近にイジーの気配を、アルディーナは確かに感じていた。
しかし、だからと言ってアルディーナは、イジーとのキスが嫌と言うわけではなかった。
彼にされて嫌なことは1つもない。ただ、緊張して体が強張ってしまうだけである。以前のキス未遂ですら、しばらく勝手にぎくしゃくしてしまい、イジーと目を合わせられず彼を困らせたほどだ。自分のゆっくりとしたペースにつき合ってくれてるのは、いくら鈍いアルディーナとて分かる。
(結婚するんだもの。怯えてたら、イジー様を困らせてしまう……)
そう考え、体の強張りをなるべく解かす。そうすることで、大丈夫だと伝えたかった。
イジーの気配はもうすぐそこにある。
(大丈夫、イジー様だもの……)
自分にそう言い聞かせる。しかし、予想していた彼の唇は唇には降りず、額にキスをする格好になった。アルディーナは驚いて思わず目を開け、瞬きを何度も繰り返す。
「イジー、様?」
「……当日も、“これ”で構わないだろう」
わずかに眉を寄せた、相変わらずの表情。
これはまさか。まさか。
「か――からかったんですか!?」
「からかったつもりはなかったが……期待したか?」
唇に這わせた指が、どこか名残惜しげに離れていく。
「……っ!?」
予想外のキスに、予想外の言葉。無表情でも少し余裕を潜めたイジーとは反対に、アルディーナはますます顔を赤く染めて羞恥心で震えた。

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人前で自分にキスされてるアルディーナを見せたくないという本心だと良いです。
ちなみに本人は本当にキスするつもりでした。

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