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<幸せな音>は管理人 幸音(ゆきね)による本誌ネタバレ感想と二次創作のサイトです。 『狼陛下の花嫁』の黎翔×夕鈴、『ひみつの姫君 うわさの王子』のイジー×アルディーナ、ぬるめですが、それぞれの年齢制限のある話も書いてます。年齢制限の話はパスワード必須です。入力画面での注意事項を必ずお守りください。 当サイト作品は全てフィクションです。実在の人物、団体、事件、史実などには一切関係ありません。原作が大好きです。著作権侵害を目的とせず、原作者様、出版社様とは一切無関係の自己満足個人サイトとなります。 更新はオフ優先ですので、基本的に不定期です。本誌ネタバレ感想は書きますので、最低月1の更新になります。 励みになりますので、よろしければ拍手やコメントしてやってください。何かございましたら拍手コメントやメールフォーム等にて。 拙い文章ですが、少しでも楽しんでもらえたら嬉しいです。

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夫の誘惑

9000hitお礼SSを兼ねて
LaLa10月号の妄想+捏造SS
黎翔×夕鈴(偽夫婦)
 
「ねぇ、ゆーりん。この辺蛍がいるんだって。見に行かない?」
「……陛下……」
真夏の夜。
無邪気な小犬のように傍を離れないのは、表向き冷酷非情な国王を演ずる黎翔。
その一方、呆れたようにまたひとつ溜息を溢したのは、臨時花嫁の夕鈴。
こうして勉強を中断させられるのは今が初めてではない。一体これで何度目なのか、夕鈴には分からなかった。

話は遡る。黎翔と夕鈴は王宮から離れ、とある離宮に滞在することが決まった。
天の星々に国家繁栄を願う星祭りという祭祀が行われるのが事の始まり。
避暑の旅行も兼ねては、と周宰相に提案されたと黎翔がつけ加えていた。
前回赴いた離宮のように過剰な演技を要求されることもない。プレッシャーを感じることなく気楽に過ごせそうだと、夕鈴はこの度の公務兼旅行をとても心待ちにしていた。
けれど、着いて早々予想外の事態に見舞われることとなる。離宮の女官達が、星祭りについて何も知らない彼女に両手で持ちきれぬほどの書物を与え、有無を言わさずに勉強会がスタートした。
勉強が苦手な彼女にとっては、李順によるお妃教育と等しく苦しみを与えるものでしかない。
片や黎翔は以前王宮で祭祀の説明を受けたことがあり、今回勉強は課されていない。さらに今回はあまり仕事を持ち込まず、言わば手持ち無沙汰の状態である。
普段政務に忙殺される黎翔とは反対に、今回は夕鈴の方が講義・予習復習に追われるという非常に珍しい状況が繰り広げられている。
それでも努めて勉強する夕鈴の姿を黎翔は目の当たりにしている。こちらを振り向かずに唸りつつ集中している彼女に向かって遊びへの誘惑を始めた。夕鈴がそれをたしなめる度に大人しく長椅子へ戻るが、しばらくするとまた夕鈴の傍へ寄り何かと構った。何もすることがないのだから仕方ないと黎翔は開き直って、再び遊びに誘うのである。
「もうっ、陛下! ご覧の通り覚えることが多いんですから誘わないでください!」
「祭祀なんてほとんどここの人達が進めるんだから、ゆーりんはそんな一生懸命に勉強する必要ないと思うけど」
少しむくれて答えると、夕鈴が大きな瞳に涙を浮かべながら反論する。
「だってこんなにたくさん渡されたんですよ? やっぱり覚えることが多いってことじゃないですか!」
「でもゆーりん、勉強苦手なんでしょ? なら――」
「だめです! 言われたことはちゃんとやります。陛下、お願いですから大人しくしててください!」
押し問答の末、一気に捲し立てる。生来の真面目な性格は怠慢を決して許さない。だから与えられた仕事はやり遂げようと努力する。それは夕鈴の美徳と言える。
しかし黎翔はと言うと、自分に構ってほしかった。それを証明するごとく、何度も誘い、名前を呼んだ。その都度それを跳ね返す夕鈴に、黎翔が切り返す。

ひやり、室温が急に冷えた。もちろんそれは事実ではない。夏の夜らしい籠った蒸し暑さは今も変わらず顕在している。
だから、夕鈴は肌に張りつく長い髪を1つにして後頭部で束ねている。なのに露になっている首筋をそろりと撫ぜたように感じた冷気は、隣から発せられている。
気のせいではない。狼陛下――その存在感は全てを圧倒させる。
青ざめた夕鈴は恐る恐る隣を見上げる。目が合うと、冷気が気のせいではないと確信する他なかった。
妖しげな色香を漂わせた黎翔が彼女の顎を指で、視線を合わせるために軽く上を向かせる。
「夫が傍にいるのに君は書物ばかり見て私に一瞥すらくれない。君の愛らしい顔を見ていたいとなぜ理解してくれない?」
「なっ!!」
かあっ、と瞬く間に顔が真っ赤に染まる。周りに誰もいないのになぜ演技を、と夕鈴は戸惑う。しかし、集中していた思考は星祭りから完全に逸れた。むしろ覚えたこと全てが漏れていくような気がしてくる。
頭の中が、ただただ自分を誘惑してくる黎翔で次第に埋め尽くす。抗うのは不可能だと、頭の隅で思った。
そうすればもう頭に何も入らないのは自明である。目から、耳から入ってくるのはただひたすら黎翔の存在のみ。
「君にはあまり夜更かしをさせたくない。せっかくの旅行だからこそ、根を詰めて君が体調を崩すことになったら私は一体どうすればいい? もし、このまま勉強を続けるなら無理にでも止めさせて、私の部屋へ連れていこうか」
艶が滲む微笑みと、鼓膜を震わせる甘い声が混ざったそれらが夕鈴を侵す。
声に囚われる。身動きひとつ取らせない。かろうじて絞り出すことができた声は、黎翔とは真逆の頼りなくか細いものだった。
「……っへ、いか……分かりましたから、今夜はもう勉強しませんから、どうか休ませてください……っ」
この状況を打破するには、あらゆる意味で解放を望むしか残された道はない。
当の黎翔はもちろん本気で部屋へ連れ込もうとは思っていない。そんなことをすれば、理性を抑えられる自信はないのだから。
夕鈴は誘惑には最後まで応じなかったが、勉強は中断せざるをえない状況へ追い込む結果になった。
どちらにしろ、勉強から気を逸らせたいという黎翔の思惑が勝(まさ)ったと言えよう。狼は満足そうに笑みを浮かべ、捉えていた指を離す。夕鈴が願った通り解放させた。
「分かった。早く休んでね、夕鈴。じゃあまた明日の朝」
「はい、えと、おやすみ、なさい」
瞬時に小犬へ切り替わるが、ぎこちなく微笑みを返された。
そのまま部屋から出るが名残惜しく感じ、振り返る。脱力させた体を椅子の背もたれに委ねている夕鈴の姿を捉える。微かに揺れる束ねた髪から覗く首筋を見て、悪戯心が湧く。静かに踵を返し、気づかれぬよう数歩近付く。
「夕鈴、そのままで」
「は、はいっ?」
油断しきったところで突然声を掛けられ、反射で背筋をぴんっと伸ばす。驚いてどもった返事に、背後で静かに苦笑した黎翔を夕鈴は知る由もない。
それから黎翔は、座ったままの夕鈴の襟に指を掛け、ほんの少し引き寄せる。
「え――」
そして体を屈ませ、無防備な白いうなじに口づけをそっと落とした。
すると、髪から花の香りが鼻腔をくすぐったのを黎翔は感じた。しかしそれはほんの一瞬の接触で、香りを堪能することはできない。
ちゅ、
肌から唇を離す際、意識させるためにわざと音を立てた。
「っ」
夕鈴は声にならない悲鳴を短く溢した。何をされたか理解したのだ。振り向けない。今度こそ声を出せず、小さく肩を震わせるしかできない。
――こちらを振り向かせたくて散々誘ったのに、これでは振り向かせるどころではなかったな、と黎翔は再び苦笑する。
首筋を朱に染めて小さく縮こまる夕鈴の様子に満足し、こっそり笑みを浮かべる。そして今度こそ「おやすみ」と告げ、夕鈴の部屋を後にする。その背中からはご機嫌な様子が窺えた。
そうして1人取り残された夕鈴は、今起きたことについて考えるのを放棄した。
「もう、寝るしかない……考えちゃダメよ……」
今すぐに眠って忘れたい。寝台は今いる部屋に続き、壁に隔てられた向こうの部屋にある。しかし立ち上がった瞬間に腰が抜け、膝から崩れ落ちた。これが誰のせいなのかは言うまでもない。

――この誘惑が災いし、「星祭りが終わるまで会わない」と告げられるのは翌朝のこと。

--------------------
以上、お礼SSとなります。
読んでくださり、ありがとうございますv
妄想楽しかったです。

最新号は陛下の誘惑が素敵でした~!
ポニテの夕鈴も可愛らしくて、ごちそうさまです。
先月号のカラー予告&今回で披露していたあのうなじに噛みつく陛下を書きたくて! ただし噛みついたら鼻がぶの時のように家出するかもしれないので、一瞬だけ。後悔はありません^^
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