幸せな音

【ひみつの姫君うわさの王子】【狼陛下の花嫁】二次創作サイト。2012/1/12/開設



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襲撃 :: 2012/09/02(Sun)

3000hitのお礼SS
独立させて再度アップ

黎翔×夕鈴(新婚夫婦)
微えろですが、示唆する言葉だけなので一歩手前ということでパスワードなしです

 
春――後宮の花が満開になった頃のある日のこと。
そんなに疲れているわけではないが、急激に眠気が襲ってきてしまった。
昨夜はもちろん夕鈴と一緒に眠った。少し無理をしてしまっただろうか。黎翔が何かする度に可愛い反応を見せる夕鈴を見てまた苛めるから際限がなかった。

政務室にて溜まった書簡を処理していたため、傍にいる官吏たちにしばらくの休憩を告げ、隣の部屋に向かう。
ここはたいてい黎翔と――今は夕鈴と近しい官吏しか入れないようにしている。
簡単な造りの長椅子と少しの家具しか置いていないため、簡素だ。丸い窓からは少しの曇り空が窺える。
長椅子に腰かけた途端、瞼が重くなった。早く眠れという体の要求なのか、まだ仕事は残っているのになと少し苦笑する。
夕鈴は書庫の掃除をしているために席を外している。こちらに戻ってきてから休憩と伝えた方がよかっただろうか。あぁ、でももう瞼が重い――

「――か…陛下……?」
……誰かが黎翔を呼ぶ声が耳に届く。しかし、瞼がまだ重く、目覚めたいのに逆らえない。
ふと意識を戻そうとすると、頬に何か柔らかくあたたかいものが触れた。
触れるか触れないか、肌の上をそっとなぞるように滑るそれは指だと気づいた。そんな微妙な接触に反射で瞼がぴくりと動く。その反応に驚いたのだろう、指が一瞬にして離れてしまった。
「お、起きていらっしゃるんですか……?」
不安そうに尋ねる声はもう誰のものなのか分かる。少し悪戯心が湧いて、黎翔は眠ったふりを続けてみる。
「陛下……」
以降何の反応も返してこないと安心してか、傍にいる彼女は再び頬に指を滑らした。顔なんか触っても何もないのに。
状況がおかしくてつい笑みが零れそうになるのをぐっと堪える。さて、いつ起きて驚かせようか。
「陛下、起きてるんでしょう?」
まだ触れる指と、眠ったふりを見透かして困ったように問う声。瞼を開け、視界がはっきりする間もなくずっと触れていた手の持ち主を見つめる。
「――気づいていたのか?」
悪戯を見破られて苦笑いをする。
「ふふ、だって最初に触った時に気付いたご様子でしたから。それにあのまま陛下がもう一度眠られるとは思いませんし」
柔らかく微笑みながら応える夕鈴はいつまでも初々しいと思っていたが、黎翔のことをよく見ている。
「私はどのくらい眠っていたのだろう」
「李順さんによると30分くらいだそうですよ。もう少し休憩なさってます?」
「君は?」
「私は資料を片付けにもう一度向こうの書庫へ行きます」
「妃が働いているのに王が働かないわけにはいかない。私も仕事に戻ろう」
長椅子から立つと、夕鈴もそれに続いてついてくる。ふと思い出して立ち止まり、振り返って夕鈴に尋ねてみた。
「そう言えば、君はなぜ私が起きる前に頬に触れた?」
「えっ……え、と、その……普段は私の方が遅く起きるでしょう? 陛下の寝顔を拝見することが少ないので今日は珍しいと思って……拝見してました」
恥ずかしそうに俯き、夕鈴は応える。ここは政務室を隣にした場所にあり、おそらく向こう側に聞こえると知っているが、黎翔は少し苛めてみたくなった。
「ふぅん、君は私の寝込みを襲ったということか」
「!? ち、ちが……! 誤解を招く言い方はやめてくださいっ」
「なに、襲われたのなら襲い返すまでだ。今夜、私の“襲撃”を楽しみにしていてくれ」
ニヤリと笑みを向けると、その意味に気づいた夕鈴は困ったように眉を下げ、顔を真っ赤に染めた。
「……~~っお、お仕事に戻って下さい!」
黎翔が部屋を出るよりも先に夕鈴は扉を開け、書簡を両手に持って脱兎のごとく政務室を走り去って行った。やりとりを聞かされていた李順は黎翔を睨むと、重い溜息をひとつ吐いた。
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