【ひみつの姫君うわさの王子】【狼陛下の花嫁】二次創作サイト。2012/1/12/開設

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<幸せな音>は管理人 幸音(ゆきね)による本誌ネタバレ感想と二次創作のサイトです。 『狼陛下の花嫁』の黎翔×夕鈴、『ひみつの姫君 うわさの王子』のイジー×アルディーナ、ぬるめですが、それぞれの年齢制限のある話も書いてます。年齢制限の話はパスワード必須です。入力画面での注意事項を必ずお守りください。 当サイト作品は全てフィクションです。実在の人物、団体、事件、史実などには一切関係ありません。原作が大好きです。著作権侵害を目的とせず、原作者様、出版社様とは一切無関係の自己満足個人サイトとなります。 更新はオフ優先ですので、基本的に不定期です。本誌ネタバレ感想は書きますので、最低月1の更新になります。 励みになりますので、よろしければ拍手やコメントしてやってください。何かございましたら拍手コメントやメールフォーム等にて。 拙い文章ですが、少しでも楽しんでもらえたら嬉しいです。
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無意識のゼロセンチ

7000hitお礼SS
独立させて再度アップ

お題サイト様:確かに恋だった
無防備なきみに恋をする5題:無意識のゼロセンチ

黎翔×夕鈴(偽夫婦)

 
今年の夏は、茹だるような暑さに見舞われている。日々の気温は更新を繰り返し、湿気もあるこの国において過ごしにくい季節となった。
そんな暑さに負けぬよう努めていたが、夕鈴は夏風邪を引いてしまい床に伏せていた。
下町では当たり前の、氷を細かくして食べる食べ物や風に吹かれて音色を奏でる風物詩は、下町と違う文化を持つ後宮には存在しない。
ただし、後宮の夏の過ごし方は、少し羨ましい。なぜなら、大きな氷を置いて部屋の気温を下げるという仕組みがあるからだ。見てる分にも涼しげで、冷気が広まるため効果は大きい。それでも、夕鈴の熱はなかなか下がらなかった。
老師の判断では咳も喉の腫れもない、巷で流行っている高熱の症状だけが見られる種類の夏風邪だった。
快復のためには何か食べ物を口にしなければならない。しかし一向に食欲が湧かない。夏バテのように、腕が少し細くなった。
黎翔には部屋の出入りを控えてほしい、と侍女を介して伝えた。熱を移して、政務に支障を来してほしくないからである。“花嫁”としては当然の配慮と言える。
けれど、どことなく寂しさに襲われる。部屋はこんなに広かっただろうか?と、夕鈴は熱に浮かされた頭でぼんやり思った。いつもの光景に氷がいくつか加わった分、圧迫感があるが――会いに来てくれる人がいないだけで、こんなに寂しく思ったことはなかった。実家にいれば家族が、幼馴染みが、近所の人が見舞いに来てくれた。後宮では、そんな人はごくわずかしかいない。熱が出ると、涙腺が緩むのはなぜだろう。もう何日も会っていないあの人に会いたい――

「陛下……」

ふと、額にひんやりとしたものの存在を感じた。侍女が載せてくれた濡れた布ではないことは、薄々感じ取れた。
骨ばった、唯一知っている男の人の手だ――。
夕鈴は重い瞼を緩慢な動作で開ける。寝起きのせいで、開けた視界はしばらくはっきりしない。
「起こしちゃった?」
「………へ、い…」
どうしてここに? 今何時ですか?
矢継ぎ早に尋ねようとして、声がうまく出せない。代わりに起き上がろうとすると、手で制止された。
「少し熱が下がったと聞いたよ。具合はどう?」
黎翔が側に用意されていた水を、水差しから杯に移した。手渡されて喉を潤す。
「まだ、少し熱があるみたいです。その、陛下の手を冷たく感じましたから……」
「そっか。なら、もう少し触れていてあげようか?」
優しく柔らかい微笑みを向けられた。いつもの意地悪な笑みではなく、心底気遣ってくれる様子が見てとれる。
いつもなら、必要以上の接触は心臓に悪いから必死に断るだろう。
でも、今日だけは。
「……お願いしても、いいですか?」

寂しかったのは陛下に会えなかったから。
だけど、会いに来てくれたことが嬉しい。
心配して、気遣ってくれることが嬉しい。

いつもは甘やかされたくなくて、いつのまにか意識的に距離をとっている。けれど、今日だけは黎翔の優しい言葉に無意識に甘えてしまう。距離もとらない。
風邪という特別な事情があるからこそ、普段甘えられない夕鈴が唯一甘えられる日だった。
黎翔の冷えた手の感触を感じながら、夕鈴は再び瞼を閉じていった。

--------------------
タイトルは、夕鈴が陛下に甘えたら距離がゼロになるんじゃないか、と解釈してみました。
普段は甘やかされたくないと言い張ってますし、風邪の時だけ甘えてみてもいいんじゃないかな^^

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