幸せな音

【ひみつの姫君うわさの王子】【狼陛下の花嫁】二次創作サイト。2012/1/12/開設



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無自覚には敵わない :: 2012/09/06(Thu)

イジー×アルディーナ(新婚夫婦)

 
「ん……」
夜着に着替えたアルディーナは、目を閉じて啄むようなキスを受ける。
「っ、……イジー様……」
何度かキスを交わした後に、夫の名前を呼んでアルディーナはくたりと体を凭れさせる。
イジーもまた彼女を労るように背中をそっと抱き寄せた。
結婚してから、2人は数えきれないほどキスをしている。特に夜眠る前は欠かさない。それが功を奏したのか、アルディーナはキスを心地よいものとして思えるほどになった。
イジーはアルディーナを気遣って、キス以上のことはしていない。緊張でガチガチだった最初の頃を思えば、触れられることに慣れた様子だけでも達成したような気さえしている。世継ぎを期待される王太子夫妻であっても、彼女が一つ一つのことに慣れるように、ゆっくり進めようとしているのだった。
最近はキスの最中に耳朶や頬に触れられることで、アルディーナはわずかに反応を示すようになった。
「イジー様……」
柔らかく名前を呼んだアルディーナの大きな緑の双眸に誘われるように、イジーは再び唇を重ねた。
「ん、ふ……っ」
下唇をなぞるように舐めて舌を差し込むと、アルディーナの細い肩がぴくりと震える。それを宥めさせようと一度離して、また深く重ねる。
控えめに夜着を掴まれる手にイジーが手を重ねて落ち着いたのか、力がふっと抜けた。
「っ、ぅ、んん……!」
空いた手を耳朶に伸ばし、指で擦る。唇の隙間から小さく控えめな声が零れた。
「ぁ、イジー、さ……っ」
息も絶え絶えに名前を呼ばれたイジーは、無意識にその細い腰を甘やかな空気を潜めた指でそっと撫でる。
「ひゃっ」
普段公の場でのエスコートですら腰に触れない夫に、アルディーナは驚いて体を引いた。
「あ、あ、あの」
「……嫌だったか?」
せっかくの甘い空気を中断させたにもかかわらず、心配そうな表情で覗き込まれた。こんな時にも気遣わしげな夫の優しさにじわりと目が潤む。
「違うんです。イジー様に触れられて嫌なんて思ったことありません! その、わたしがはしたなく思われそうで……」
「……アル?」
あまりにも唐突な単語にイジーは首を傾げるしかない。アルディーナは、恥ずかしさのあまり俯いて吐露する。
「……もっと、イジー様に触れてほしい、って思うんです……。あの、ごめんなさい……」
触れてほしいと願いながら、なぜはしたないという考えに至ったのか。箱入りとして育てられた純粋な彼女にとっては、恋人や夫との距離を誰かに教えられたわけでもなく、そう考えても仕方ないのかもしれないとイジーは思った。
眉が下がり、今にも瞳から涙をこぼす直前のアルディーナをイジーが強く抱き締めた。
「イジー様……?」
「そう思うどこがはしたない? 好いている相手との接触を望むのは普通のことだ。俺は、こうしてる今よりもアルにもっと触れたいと思ってるが」
「え……?」
懺悔にも似た気持ちを吐露した矢先に告げられた言葉に、アルディーナは瞠目する。溢れそうだった涙はいつのまにか引っ込んだ。
イジーが体を離し、腕の中の妻と視線が絡む。わずかに紅潮した頬をイジーの指が優しく滑る。
「どこまでならおまえが怯えないのか、考えあぐねてる」
「イジー様が?」
思いがけない告白を受けて、アルディーナがきょとんとした表情を向ける。対してイジーは以前避けられて滅入ったのを白状した時のことを思い出したのか、微苦笑する。
「急かす気はないが、そう思ってくれたのは進歩だな」
抱き寄せられた背中をまた撫でられる。先程の甘い空気を潜めたものではなく、子どもに対してするようなそれをアルディーナは心地よく受け止める。そして、爆弾発言を落とした。
「あの、イジー様。イジー様の思うようになさって下さって構いませんよ……? 了解を取らなくてもわたしはイジー様の妻なんですから」
正直に思っていることを口にした。一瞬、背中を撫でる手がぴたりと止まる。一体どうしたのだろうとアルディーナは夫を見上げる。視線が絡むと、イジーは困ったような表情を見せた。
「……おまえには敵わん」
それは婚約中、盗賊にさらわれて助けられた時に言われた言葉だ。なぜ今この時にと不思議に思うアルディーナの瞼に、イジーの唇が降りてきた。
口にしたそれが誘惑以外の何物でもないということを、アルディーナ本人は知らない。

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もう少し先に進ませたかったのですが…あれ…?
無自覚に誘うアルに参るイジーさま、という図式が私の中で出来上がってしまってるせいでしょうか。
ピュアすぎるカップルは手強い。
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  1. イジー×アルディーナSS
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