幸せな音

【ひみつの姫君うわさの王子】【狼陛下の花嫁】二次創作サイト。2012/1/12/開設
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君の口唇を奪いたい

お題サイト様:because
choice79:君の口唇を奪いたい

黎翔×夕鈴(新婚夫婦)
ポッキーの日SS

 
「お帰りなさいませ」
「ただいま、夕鈴。ね、今日献上品で珍しいお菓子もらったんだー。一緒に食べようよ」
「お菓子ですか?」

――黎翔が政務を終え、夕鈴の待つ部屋に戻ってきたある夜。夫の帰りを待っていた夕鈴が出迎えると、にこにこと笑顔を向けられた。既に侍女を下がらせているので、小犬の満面の笑みを見られて困ることはない。
それから夕鈴は彼の手元を見遣る。黎翔が持っているのは、細長い箱だった。
「ポッキーっていうお菓子なんだって」
箱から取り出されたそれは箸のように細長い棒状のもので、指で掴んでいる部分以外は全体をチョコレートで覆われている。それは初めて見るものだった。夕鈴は不思議そうにそれを見つめる。やけに物足りなさを感じさせるが、これは美味しいのだろうかと考える。
黎翔が続ける。
「東洋からの献上品にあったんだ。それで、もう1つ教えられたよ」
「何をですか?」
「これをね、2人で端をくわえながら食べていって、多く食べた方が勝ちっていうゲームがあるんだって。やってみない?」
「へぇ、面白そうですね! やってみましょうか」
にこにこと微笑みながら話す黎翔の楽しそうな様子に、夕鈴は無邪気な笑顔を向けた。
「じゃあ僕が持ってるから、夕鈴が先にくわえて」
「分かりました」
黎翔が指で片方の端を持ち、夕鈴の口元に差し出す。夕鈴が口に含み、歯で先端をくわえる。
「ん、じゃあ僕も」
と言って黎翔が指を離した。夕鈴がくわえてない反対側でゆらゆらと揺れ動くポッキーの端を、器用に口に含む。あまりの至近距離に夕鈴の心臓が跳ねる。
一方で黎翔は素知らぬ様子で挑戦的な視線を妻に向けた。視線を受けて彼女の負けず嫌いの性格を刺激されるのを、黎翔は経験から学んでいたのだった。そうして案の定夕鈴は俄然やる気を見せた。
お互い口を使えない状態なので、ゲームを始める合図は視線の交差しかない。

『せーの』

ポキ、

お互いの顔が一口分近づく。ただ、夕鈴は目を伏せポッキーへ、黎翔はそんな夕鈴の様子を眺めている。

ポキ、ポキ

また近づく。
夕鈴はただ食べ進めることに集中しているらしく、視線はひたすら眼前のポッキーに注いでいる。徐々に近づきつつあるお互いの顔の近さは眼中に入っていない。

ポキ、ポキ、ポキ

噛む度に小さく割れる音だけが存在している。
(……あれ…そういえば多く食べた方が勝ちって……)
2人が食べきるには、くわえているポッキーを唇が触れるギリギリまで食べなければいけないのではないだろうか。
今頃になって夕鈴は、このゲームのおかしな点に気づいた。
ポッキーだけを見つめていた視線をおもむろに上げる。すると、それまでじっと夕鈴を見つめていた黎翔が、紅い瞳をどこか愉しそうに細めた。ただそれだけで、夕鈴は本能的に悟った。
(待って、これって……最終的には口づけなんじゃ――)
先程までのやりとりが思い出され、一瞬にして頭の中を駆け巡る。
なぜ、黎翔がわざわざ献上品を持ってきたのか。
なぜ、黎翔は終始楽しそうな様子だったのか。
このゲームの――彼が意図的に隠していただろう――真の目的に気づいた時、夕鈴は食べ進んでいたポッキーから咄嗟に口を離した。が、しかし夕鈴はそれ以上逃げ腰になれなかった。気づかれないようにして黎翔が夕鈴の背中に両腕を回していたからである。この状況はまるで拘束されていると、夕鈴はそう感じた。
愛らしい兎は逃げ場など、とうに失っていたのだ。
「陛、」
口から自然と漏れた声に対し、蕩けるように甘く笑う黎翔を捉えた瞬間――夕鈴の唇は、最後の一欠片を咀嚼した彼の唇によって塞がれたのだった。

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11/11:ポッキーの日。
ハロウィンのイタズラにちなんだキスをイジアルで書いたので、ポッキーの日は陛下夕鈴でv

タイトルのわりに、三人称を心がけた(つもりな)ので陛下視点は入れることができませんでしたが、夕鈴にキスしたい陛下の言い訳としてポッキーゲームを利用した、という裏テーマがあったり。
これってバカップルにしかできないなぁ、と思います^^;
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