幸せな音

【ひみつの姫君うわさの王子】【狼陛下の花嫁】二次創作サイト。2012/1/12/開設



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臨時花嫁の憂鬱 :: 2014/01/20(Mon)

夕鈴視点
冒頭に54話のネタバレあります
それを前提にした妄想&捏造短めSS

 
「キライなわけないでしょう!? 大好きですよ!!」

会話の流れからあまりにも突然すぎる告白をした直後、夕鈴は長い髪を振り乱して全速力で走っていた。
(あああああ!! なんであんなこと言っちゃったの、私ってば! バイト妃として絶対やっちゃいけない失態じゃない!!)
未だに自分でも信じられない。
バレないようにと必死に隠していた気持ちを、あんな形で自ら口にするとは。
夕鈴は後宮の自分の部屋へ近づくにつれ、女官の目があることに気づいて速度を緩めると息が上がった。
とぼとぼと歩きながら先程吐露した自分の言葉を反芻する。
(変な意味じゃないってごまかしたけど、どう考えても不自然だったわよね……)
自分の部屋に入ると侍女達が出迎えたが、夕鈴の気落ちした様子を察したのか、優秀な彼女達は何も言わずにそっと部屋を後にした。
気遣われてまた少し落ち込んだ。そのまま夕鈴は寝台に腰かけて、横になった。弾力性がちょうどよい布団に体が沈んでゆく。
「すきですからね」――思い出して身悶えしながら拳で布団を叩く。
(ううう……陛下、びっくりしてた……当然よね……)
あんな風に言うつもりなんて微塵もなかった。いや、本来ならば口にすることすら許されないことだ。
(ああ、明日……ううん、今晩どんな顔して会えば――)
今は会いたくないのが正直なところだ。けれど、あんなことがあったからこそ会わなければ余計に不審に思われて、言い訳をした意味がない。
思考が落ち着かないまま、ふとある考えにたどり着く。
(…………これ、もしかしなくても李順さんにバレる方向になるのかしら……)
恐ろしいことに気づき、一転して、顔が青ざめてゆく。あの上司のことだ、即刻クビの判断を下すに違いない。恋をしてはいけない相手に恋をした時から今までずっと恐れていた事態を、自分で招いたのだ。
(ど、どうしよう、誰にも相談できない……!)
夕鈴は、黎翔にも会いたくなくて、上司にバレたくないという二重の憂鬱を味わった。
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  1. 黎翔×夕鈴SS
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