【ひみつの姫君うわさの王子】【狼陛下の花嫁】二次創作サイト。2012/1/12/開設

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<幸せな音>は管理人 幸音(ゆきね)による本誌ネタバレ感想と二次創作のサイトです。 『狼陛下の花嫁』の黎翔×夕鈴、『ひみつの姫君 うわさの王子』のイジー×アルディーナ、ぬるめですが、それぞれの年齢制限のある話も書いてます。年齢制限の話はパスワード必須です。入力画面での注意事項を必ずお守りください。 当サイト作品は全てフィクションです。実在の人物、団体、事件、史実などには一切関係ありません。原作が大好きです。著作権侵害を目的とせず、原作者様、出版社様とは一切無関係の自己満足個人サイトとなります。 更新はオフ優先ですので、基本的に不定期です。本誌ネタバレ感想は書きますので、最低月1の更新になります。 励みになりますので、よろしければ拍手やコメントしてやってください。何かございましたら拍手コメントやメールフォーム等にて。 拙い文章ですが、少しでも楽しんでもらえたら嬉しいです。
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聖夜にあなたの元へこんばんは

お題サイト様:because
choice200:聖夜にあなたの元へこんばんは

イジー×アルディーナ(婚約中)

 
どこかの国では誰かの生誕を祝うというこの日。ガルニアにおいても、その習慣が流れてきて、いつのまにか家族や恋人と過ごす日として定着した。
婚約してさらに多忙なガルニアの王子は、この日も仕事に追われていた。しかし、雪が降るこの国ではこの時期の遠出は困難を極めることが多く、冬が終わるまでは控えなければならなかった。そのため、今日も基本的にデスクワークに努めていたのだった。

「なぁ、イジー。姫さんと会う約束してないのか?」
「今日にか? 何かあったか?」
「いや、うん。予想を裏切らない答えをくれるよなお前は……」
イベント事にはとんと無頓着なイトコである。ヴィートは彼の婚約者を思い浮かべながら軽く溜息を吐いた。それを視界に捉えたイジーは怪訝そうに眉間に皺を寄せた。
「なんだ」
「ローシェンにも今日の過ごし方は定着しているんだろ? なら姫さんもお前と一緒に過ごしたいんじゃないかと思ったんだよ」
具体的に述べると、ヴィートが指す“今日”の意味にようやく気づいたらしい。しかしイジーは、書類の文字に走らせる目を止めずに告げる。
「……アルからはそういった趣旨の手紙はなかった。ゴートン卿は会談でこちらに来るそうだが」
「ありゃ、珍しいな。お前まさかそれで拗ねてわざとデスクワーク多く入れ、……わ、待て睨むな、俺が悪かったって!」
普段無表情な彼がひと度睨むと、剣呑な目つきになるのを昔から知っているヴィートはその場から早々に退散した。
「……」
残された彼は手にしていた書類をばさりと置いて、自分以外誰もいない部屋で重い溜息を吐いたのだった。

「――あの、カテルジナさん。今更なんですが無理を言ってしまってすみません……」
「いいんだよ、殿下には秘密で案内を頼まれたのは驚いたけどね。面白そうだから協力は惜しまないよ」
カテルジナが楽しそうに笑う。
アルディーナは、じいやであるゴードン卿の仕事につき添う形でガルニアへ入国していた。そして今、カテルジナの手引きでイジーの住まう城内へ入ったのだった。いつもと同じく男装をしガルニアへ来た目的はただ1つ、婚約者であるイジーに会いたかったからである。婚約前はこうして外へ出るなど考えられなかったが、今ではこうして積極的に外へ出ている――イジーに会うために。彼に止められることもあるが、会いたい気持ちは抑えられなかった。
「わざわざローシェンから来るくらい殿下に会いたかったんだろう? 君の恋を応援する身としてはぜひとも協力しないとね」
後半の誤解はともかく前半はまさしくその通りなので、アルディーナの頬は赤くなるのを止められない。話を逸らすために彼女は慌てて話題を探した。
「えぇと、今日はイジー様はお仕事ですよね?」
「ああ。何でもヴィートによると拗ねてて、努めてデスクワークをしているらしいよ」
「え、拗ね……?」
どこか含みのある笑い方をするカテルジナだが、アルディーナにはそれが何のことだか分からなかった。そんなやりとりをしている内に、カテルジナの足が止まった。
「カテルジナさん?」
「アル。ここが殿下の執務室だよ」
「あ……」
カテルジナがアルディーナの耳元に合わせて屈み、小声で話しかける。
「私がノックした方がいいかな。開けたらアルが入れば殿下も驚かれるだろうし」
「あ、はい。お願いします」
カテルジナが任せてとばかりに可愛らしくウインクをした。そして次に背筋を伸ばした時には、既にきゅっと表情を引き締めていた。
「殿下、カテルです。お時間よろしいでしょうか、至急確認したい事項があるのですが」
「カテルか。入れ」
扉越しではあるが久々に耳にするイジーの声に、アルディーナの鼓動が逸る。
「失礼します。――アル、ほら」
カテルジナが小さく手招きをし、アルディーナは扉へと歩む。
「カテルジナさん、案内してくださってありがとうございます」
アルディーナは部屋に入る前に、カテルジナに微笑みかけて礼を述べた。ガチャリとドアノブの音を立てて扉が閉められた。カテルジナはそのあまりにも無邪気な微笑みに目眩を覚えた。

「イジー様」
その場にあるはずのない声が耳に入った。
「……?」
イジーは書類に向けていた視線を声の方へやる。そして次の瞬間、自分の目を疑った。
「……アル?」
先程カテルジナと扉越しにやりとりをしたばかり。それにもかかわらず、部屋に入ってきたのはアルディーナだったのだ。思いがけない事態に驚いたあまり、手から書類が落ちてしまった。だが彼が驚くのも無理はない、何せ彼女は内緒でここまで来たのだから。
「こんばんは、イジー様」
アルディーナは数週間ぶりに会う婚約者へ、頬を染めてふんわりと笑いかけた。その柔らかい笑顔を認識し、彼はいくらか落ち着き始めた。
「ここにいるということは、ゴードン卿についてきたのか?」
「はい。じいやから、今日こちらで会談があると聞いたので……どうしてもとお願いしたんです」
照れながらも嬉しそうにはにかむアルディーナ。イジーは彼女の行動力に感嘆しつつも、婚約者の訪問を彼なりに喜んだ。
「……おまえには驚かされるばかりだな」
「イジー様と一緒に過ごしたくて……。1人では止められてしまうので、じいやに連れてきてもらったんです」
「それが懸命だな」
さすがにアルディーナがたった1人で他国へ来られるわけではない。身分を隠して城を抜けてあちこち視察できる彼とは事情が違うのだ。いくら行動力があるとは言え、姿を消すと騒ぎになることは間違いない姫君なのだから。
「さっきはカテルと一緒だったのか」
「そうなんです。イジー様を驚かせたくて内緒にしてたんですけど、こちらの城には詳しくないので無理を承知で案内をお願いしたんです。そうしたら、楽しそうだからと協力してくださいました」
彼は嬉々として案内してきたであろう部下を脳裏に思い浮かべた。カテルジナの性格は長年のつき合いから分かってはいるものの、溜息を零しそうになる。
「会談の間はこっちにいられるのか?」
「はい、じいやの予定に合わせますので、明後日までは」
イジーはその答えにしばらく考えを巡らせる。
「……なら、城下町で冬の祭りが催されてるらしいから、明日行くか?」
「はい!」
来て早々デートに誘われるとは思っていなかったのか、アルディーナは喜びのあまり即答して期待に胸を膨らませた。机の上の書類仕事は今日中に終わらせれば問題はないだろうと、彼はこの笑顔のために密かにやる気を見せた。
「あ」
ふとアルディーナが窓の方へ見遣った。
「イジー様、雪が降ってきましたよ」
「ああ」
彼女が窓へ近寄り、彼もまたそれに倣う。窓の奥を見つめると、暗い闇に雪が映えた。
「ホワイトクリスマスですね」
仰いだアルディーナはイジーへ可愛らしくはにかんだ。彼は苦笑しながら彼女の小さな頭を撫ぜる。
「明日は積もった雪で滑って転ぶなよ」
「っ、だ、大丈夫です!」
突然向けられた彼の優しい笑みに、心臓が跳ねた彼女は恥ずかしそうに返す。こんこんと舞い落ちる雪は、初々しい2人をずっと見守っていた。

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両国のクリスマスは捏造です。あと雪も。
でもクリスマスがあったなら、アルはこうして会いに行くだろうな。
もう少し甘さを出したかったのですが。
メリークリスマス!

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