【ひみつの姫君うわさの王子】【狼陛下の花嫁】二次創作サイト。2012/1/12/開設

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<幸せな音>は管理人 幸音(ゆきね)による本誌ネタバレ感想と二次創作のサイトです。 『狼陛下の花嫁』の黎翔×夕鈴、『ひみつの姫君 うわさの王子』のイジー×アルディーナ、ぬるめですが、それぞれの年齢制限のある話も書いてます。年齢制限の話はパスワード必須です。入力画面での注意事項を必ずお守りください。 当サイト作品は全てフィクションです。実在の人物、団体、事件、史実などには一切関係ありません。原作が大好きです。著作権侵害を目的とせず、原作者様、出版社様とは一切無関係の自己満足個人サイトとなります。 更新はオフ優先ですので、基本的に不定期です。本誌ネタバレ感想は書きますので、最低月1の更新になります。 励みになりますので、よろしければ拍手やコメントしてやってください。何かございましたら拍手コメントやメールフォーム等にて。 拙い文章ですが、少しでも楽しんでもらえたら嬉しいです。
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ひざまくら

お題サイト様:確かに恋だった
それは甘い20題より三題噺
03.指先 10.ひざまくら 16.うたた寝

イジー×アルディーナ(婚約中)

 
例のごとく、じいやであるゴートン卿の仕事に付いてきたアルディーナがガルニアに入国したのは昼を過ぎたばかりの時分である。彼女がいつものように男装をして誰もいない回廊をのんびり散歩していると、背後から声をかけられた。
「姫さん」
呼ばれた方へ振り返ると、イジーのいとこ兼お付きのヴィートだった。
「ヴィートさん! こんにちは。お仕事の最中ですか?」
「いや、さっき休憩に入ったんです。イジーのやつ、顰め面で仕事してましたよ。たぶん今疲れた顔してるんで行ってやってください」
暗に「いちゃいちゃしてきても大丈夫ですよ」と言われているのだが、彼女は発言の裏の意図に気づかなかった。
「ありがとうございます」と丁寧に礼を述べたアルディーナは、気分を弾ませながら執務室へと向かう。執務室の前に着き、控えめにノックするが返事がない。
「イジー様……?」
様子を窺いながらそっと扉を開ける。しかし、書斎机にイジーの姿はない。そっと辺りを見回す。人の気配があるので、どこかにいるに違いない。
執務室の隣にイジー専用の私的な休憩室があるのを思い出したアルディーナは、そちらへ歩いてゆく。そして静かに扉を開け、足を踏み入れる。
休憩室なので執務室と比べると、さほど広くはない。置かれているソファやテーブルはシンプルな造りのものである。内装に特にこだわりを持たない彼らしさが窺える。中央に位置する大きめのソファは、横になっても十分な幅のあるものだ。
「イジーさ……」
声をかけようとしてソファの横に回り込む。しかし、次の瞬間には手で口元を押さえた。イジーが横たわって腕を組みながらうたた寝していたからだ。
アルディーナは思わずまばたきを繰り返すが、いくらか落ち着いてからまじまじと見つめた。じっと見つめられている当の本人は気配に気付かず、顔を顰めて眠り続けている。
(こんなに眉間に皺を寄せているなんて)
夢の中でも仕事に追われているのかもしれない。そんなことを考えながら苦笑を零す。
するとアルディーナはあることを思いつき、イジーの頭の下にあるクッションにそっと手を伸ばした。

「……?」
何か柔らかいものが頭の下にあるのを、意識を取り戻した頃にうっすらと感じた。だが瞼が重く、すぐに目を開けて確認することは困難だ。思いの外、疲労に襲われているらしい。
今朝持ち込まれた書類の事務処理は複雑なものであった。資料を引っ張り出しては前例を比較しながら新たな提案を書き加え、つい先程提出させたばかりだ。自分の目で確認できることが視察よりも少ないデスクワークは、基本的に苦手である。もちろんそれの重要性も重々承知しているし、欠かせない仕事だ。だがやはり確かな情報がほしい。
そんな風に仕事のことを考えていると、次第に頭が冴えてきた。今度こそ瞼を開けると、ぼんやりと天井が視界に入ってきた。
(…………?)
違和感を覚えて思考しようとした瞬間、聞き慣れた声が耳に入る。
「おはようございます、イジー様。……あ、もうお昼過ぎてますから、朝の挨拶ではありませんね」
イジーは、目に飛び込んできた状況を呑み込めなかった。ただ、どうやらアルディーナがイジーの顔を上から覗き込んでいるようなのだ。
「……アル?」
名前を呼ぶことで確認するつもりが、呆けた声が口から漏れてしまう。
「これは……どういう状況だ?」
「わたしがこちらに来た時にはもうお休みで、その、ちょっと思いついて膝枕を……」
ということは、やはり自分の頭を支えているのは彼女の太腿だ。違和感の正体は、頭を支えるものの柔らかさだった。先程まで下に置いていた弾力性の少ないクッションなどではなかったのだ。
それから、ふと気づく。華奢な脚に載る自分は重いに違いないと。黙って起き上がろうとすると、意外なことに制止された。
「休憩が終わるまでこうしていてはダメですか?」
そう言うアルディーナは、心なしか嬉しそうに声を弾ませている。
「いや、重いだろう」
「いいえ。それより寝顔を拝見する方に集中していましたから」
「……見ても楽しいものではないだろう」
「そんなことないですよ? イジー様の寝顔を拝見するのはそうそうないですし」
「そうだったか?」
そうして思い返してみるが、確かに彼女の前で眠ったことがないことに気づく。
すると、ふわり、と微笑む気配を感じた。
――下から見るアルディーナは普段よりも近く感じる。
いつもならこちらが見下げる形で、さらに身長差もある分、彼女が俯いてしまえば表情は窺えない。ただし、今はいつもと反対の状況なので、アルディーナが俯いても窺うことができる。
自然と手が伸び、髪の先に触れる。今はゆっくり仲を深めている最中なので、あまり積極的には触れられない。
手を繋ぐことが現在における最大限の許容範囲なのである。
しかし、彼女の方が膝枕を自ら買って出るくらいには積極的なのでこちらも試みる。アルディーナは顔を赤く染めて戸惑い、伸ばされた指先とイジーの顔を交互に見遣る。しばらくすると、おずおずとその手に柔らかい頬を寄せてくる。
さらにアルディーナは自分の手をイジーの手に重ねた。
「……ふふっ」
唐突に笑った弾みで、頬に触れている手も同時に震える。
「甘えてるみたいですね」
「?」
イジーが怪訝そうに顰めたが、アルディーナが幸せそうに頬を緩めているので確認はしなかった。その代わりに、触れる機会の少ない肌の柔らかさを堪能しようと決めたのである。

------------------
甘えているのはアルかイジーか、それとも両方なのか。

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