幸せな音

【ひみつの姫君うわさの王子】【狼陛下の花嫁】二次創作サイト。2012/1/12/開設



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真昼の夢 :: 2015/01/04(Sun)

黎翔×夕鈴(新婚夫婦)

 
奥行きを感じない場所に、10歳前後の利発そうな黒髪の少年と、彼より少し年下らしい栗色の髪の少女がいる。
2人は仲良く手を繋いでいた。
微笑み合い、その様子は仲睦まじい。
やがて少年少女は大人になり、彼らは腕に栗色の髪の子どもと黒髪の子どもをそれぞれ抱いていた。
子ども達は自分を抱いている者を見上げ、「ちちうえ」「ははうえ」と、舌足らずな発音で呼ぶ。
呼ばれた2人はそれぞれの子どもに向けてにこにこと笑み、隣に立つ相手にも微笑んだ。
それはそれは幸せそうな様子で。
(あれは――)

「夕鈴……?」
「……黎翔様?」
重い瞼を開け、視界いっぱいに広がる秀麗な顔をぼんやりと見つめる。
「起きた?」
その一言で意識が急速にはっきりする。
「えっ……私、寝てました?」
「うん」
慌てて体を起こし、辺りを見回して状況を把握する。今、夕鈴がいるのは後宮の私室で、寝台の上だった。
「あれ、私……そうだ、お昼ご飯の後にちょっとって思ってお昼寝しちゃって! って、黎翔様はどうしてここに? まだご政務の時間では?」
「僕も休憩時間にちょっと夕鈴の顔を見に来たんだ」
そう言いながら夕鈴の長い髪を指に絡める黎翔の甘い視線が、夕鈴を動かなくさせる。思わず照れ隠しで言葉を返す。
「起こしてくださればよかったのに」
「うん、でも幸せそうに眠ってたから。何か夢でも見てた?」
「え?」
夢?
「だって笑ってたから」
「え、やだ、恥ずかしい……でも、見た気はします」
「どんな夢か覚えてる?」
聞かれて次第にぼんやりと思い出す。頭に思い浮かぶままに口に出してゆく。
「……私と黎翔様が出てきたような気がします」
「それで?」
「……それで小さな子を抱っこしてました。男の子と女の子。見た目は……あっ」
言葉にしながら自然と行き着いた考えに、途端に頬が熱くなる。なぜなら、それは自分達の幸せな未来を象徴する存在で――
「似ていた?」
「えっ?」
「僕と夕鈴に」
黎翔もまた自然と言葉にした。それに促されるように、夢の続きをとつとつと話す。
「えーと、顔は……ちょっとはっきりとは覚えてないんですけど、髪の色は、その、私と黎翔様の色でした、よ」
後半はたどたどしくなりながら教えると、寝台に腰かける黎翔がふわりと笑って夕鈴を抱き寄せた。頬擦りと共に唇が寄せられる。
「っ」
「早くそんな未来が来るといいね」
妻を宝物のように抱き締める夫は、幼少時代を辺境で過ごし、即位してからは動乱の中を生きた。そしてようやく今、自らの幸せを手にした彼は、幸せの象徴である妻を強く抱き締めた。
呟かれた言葉の意味を噛み締めて、夕鈴もまた夫の胸に顔を埋める。
「……はい」
(いつかそんな未来が本当になったなら)
想像しただけでも幸せな気持ちで満たされ、胸がいっぱいになる。
今はまだでも、そう遠くない未来に。

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初夢から広がった話です。
実際はお昼寝の夢ですが。
少しでも幸せを感じられたら。
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