プロフィール

幸音

Author:幸音

サイトについて

<幸せな音>は管理人 幸音(ゆきね)による本誌ネタバレ感想と二次創作のサイトです。 『狼陛下の花嫁』の黎翔×夕鈴、『ひみつの姫君 うわさの王子』のイジー×アルディーナ、ぬるめですが、それぞれの年齢制限のある話も書いてます。年齢制限の話はパスワード必須です。入力画面での注意事項を必ずお守りください。 当サイト作品は全てフィクションです。実在の人物、団体、事件、史実などには一切関係ありません。原作が大好きです。著作権侵害を目的とせず、原作者様、出版社様とは一切無関係の自己満足個人サイトとなります。 更新はオフ優先ですので、基本的に不定期です。本誌ネタバレ感想は書きますので、最低月1の更新になります。 励みになりますので、よろしければ拍手やコメントしてやってください。何かございましたら拍手コメントやメールフォーム等にて。 拙い文章ですが、少しでも楽しんでもらえたら嬉しいです。

最新記事

カテゴリー

リンク

検索フォーム

訪問者数

最新コメント

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

月別アーカイブ

RSSリンクの表示

QRコード

QR

最新トラックバック

  • --
  • --/--
  • --

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

top↑

くちづけ

黎翔×夕鈴(偽夫婦)
最近の原作の時期なのでネタバレ要素あり
キスの日SS
 
夕鈴が闇商人と王弟の母による計画を未然に阻止するために後宮に戻り、騒動を経て正式に後宮入りしてしばらく。
お互いの気持ちを知り、演技ではない甘い空気が2人の間に終始流れている。
檻の中の生活のため、側に控えていた女官達の目はないにもかかわらず。

「ただいま、夕鈴」
「お、お帰りなさいませ陛下!」
出迎えの挨拶から、夕鈴はこの後に来る出来事に顔を赤らめながら、羞恥心からぎゅっと目を瞑って構えの姿勢をとる。
唇に降りてくる口づけは一瞬。そしてその後は優しくあたたかな抱擁をされる。
逞しい腕に囲われ、武骨な指が頭を撫でてくれる。感触が夢じゃないのだと思い知らされる。
再び後宮に戻ってきて大好きな人に抱き締められている――これ以上ないほどの幸福感に包まれていると、抱き締めている黎翔がふと囁きかけた。
「ねぇ、夕鈴」
「はい?」
「お願いがあるんだけど」
「え? 何でしょうか?」
抱擁の姿勢が崩れないため見上げた先には満面の小犬の笑顔があり、夕鈴は胸のときめきを覚える。
「夕鈴の方から口づけしてくれる?」
にこにこと微笑む様子につられて、うっかり了承しそうになる。けれど、聞き逃すことはできない。
(この人は今、何を言ったの!?)
「あの、陛下?」
「だめ?」
今度はしょんぼりした淋しそうな顔を向けられた。思わずお願いを聞いてあげたくなるので、このくるくる変わる表情は卑怯だ、と夕鈴は内心思う。
「だ、だめです、よ」
「どうして?」
「恥ずかしいからです!」
「何度もしてるのに?」
「っ! じ、自分からするのとは違います!!」
(だっていつも恥ずかしくて目を瞑ってる間にしてるし、それを自分から……なんて無理! 絶対無理!)
「どうしても?」
「どうしても!」
押し問答の末、息巻いて答える。何度可愛くお願いされたって、恥ずかしいものは恥ずかしい。
「ふぅん……1回だけでいいよ、って言っても?」
(1回?)
「毎日夕鈴からしてほしいって言ってるわけじゃないんだ。……僕のわがまま、聞いてくれない?」
切なそうな眼差しを受けて――結果として夕鈴は折れた。

身長差があるため、普通に立ったままでは背の低い方の夕鈴からの口づけは至難の技である。
そのため長椅子の方へ場所を移し、黎翔に座ってもらうようにお願いをした。夕鈴はその正面に立つ格好になる。
「あの、お願いですから、どちらにしろ恥ずかしいのは変わらないので、陛下は終わるまで目を瞑っててください」
「うん」
わがままを聞き届けられた黎翔は心底嬉しそうに朗らかな笑みを浮かべている。そして彼は夕鈴の言うまま、瞼を閉じた。
一方で夕鈴はと言うと、黎翔と向き合いながら頭を抱え始めた。
(口づけってどうやってするの? いつもされる方だから分からない……! とりあえず鼻がぶつからないようにすればいいのよね……?)
意を決して一歩踏み込む。自分の着物の衣擦れの音が耳に入るが、それ以上にうるさいほどの自分の鼓動の音で掻き消されている。これ以上近づいたら聞こえてしまいそうなほど、うるさくて仕方ない。
意識を逸らそうとして、目を閉じてじっとしている黎翔を見つめる。いつもは目線を上げないと窺えない顔が、自分の目線より少し下にある。たまに抱き上げられた時と同じような状態だが、今は違う。これから口づけをしなければならないという使命(?)があるのだ。緊張しないわけがない。
(……それにしても陛下の顔って整ってて綺麗よね……)
目の前にある秀麗な容貌につい見惚れる。
小犬と狼では顔も声も雰囲気もまるで異なるため、切り替わりの度に驚かされる。だけど、印象的な紅い瞳が瞼に覆われていると、少しだけ幼く見える気がする。
自分でも気づかない内に観察していたらしく、ふと気づけば黎翔の顔と至近距離だった。
(本当ならもう会えない人、だったのに、また私の目の前にいるなんて……)
夢みたいだ、と思う。
けれど夢じゃない、現実なのだ。しかも今度は偽りの関係じゃなく、堂々と傍にいられる。そのためなら努力は惜しまない。
(身分も後ろ楯も、何もないけれど、この人のためなら私は全てを捧げられる――)
感傷に浸っていると、焦らされているように感じたらしい黎翔が「夕鈴?」と呼んだので、我に返った。
「ま、まだ開けちゃだめですから!」
念を押すと、感傷も霧散していった。代わりにやって来たのは、再びの緊張と羞恥。
(うう、息遣いが近い……!)
今更ながら、なんて“お願い”を聞いてしまったのだろう。
(ええい、1回でいいんだから頑張れ私!)
ドキドキと羞恥が混ざり、勢いで唇を重ねた。わずかな接触なのに、幸せな気持ちが唇からどんどん溢れそうな気がした。
「――……」
互いの唇が離れると、先に沈黙を破ったのは黎翔の方からだった。
「目を開けてもいい?」
「えっ、あ、はい」
瞼が上げられ、視線が交わると、黎翔が幸せそうに微笑んで言った。
「夕鈴、好きだよ」
「私も……貴方のことが好きです」
夕鈴もまた、今まで隠し通すしかなかった恋心をさらけ出せることが、どんなに幸せなのかを噛み締めながら応えた。
黎翔が夕鈴の腰を抱き寄せて、膝に座らせ、今度は彼から夕鈴の唇を塞いだ。
互いの距離を埋めるように、抱き締め合いながら唇に降る口づけの雨はしばらく続いた。
スポンサーサイト

top↑

コメントの投稿

secret

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。